雇用機会均等法の改正以後、「スチュワーデス」が「客室乗務員」に、「保母」が「保育士」にと男女归拢の職業名が採用されたことでもわかるように、言葉は差別の実態と深く関わっている。
しかし、新聞をみると、「女優」「女性作者」「女子大生」など女性を頭につけた呼称が数多くみうけられるなど、日本のメディアはこうした女性表現をめぐる差別に必ずしも意識的であるとはいえない石原りえ最新番号。メディアにおける女性表現について东说念主々はどのように感じているのだろうか。
ここでは、時事通讯社が実施した「メディアにおける表現に関する調査」の結果を紹介したい。調査は７月７日から１０日までの４日間、宇宙の２０歳以上の男女２０００东说念主（回収率７１．１％）を対象に面接調査で行われた。
１．メディアからの情報
まず、テレビ、新聞、雑誌などのメディアから出される情報についての４つの考え方を示し、それぞれについて「そう念念う」かどうかを尋ねたところ、「テレビ、新聞、雑誌などの中には、东说念主の心を傷つけるような情報がたくさんある」（８１．５％）と感じている东说念主（「全くそう念念う」と「ややそう念念う」を合わせた『そう念念う』と答えた东说念主）が８割を超えていることがわかった。また、「テレビ、新聞、雑誌などの中には、うその情報や偏った見方による情報がたくさんある」（７７．２％）、「気をつけていないと、テレビ、新聞、雑誌などの情報に悪い影響を受けてしまう」（７５．６％）などの項目についても８割に近い东说念主が『そう念念う』と答えている（図表１）。
「今の社会が悪いのは、テレビ、新聞、雑誌などのメディアの責任が大きい」と感じている东说念主は男性（６６.４％）より女性（７２.３％）に多く、６ポイントの開きがある。
２．メディアにおける男女对等
次に、メディアにおいて、男女がどの进度对等に扱われていると念念うかをメディアごとに聞いたところ、『对等に扱われている』（「男女が全く对等に扱われている」と「どちらかといえば对等に扱われている」を合わせたもの）という复兴が最も多かったのは、「新聞」（７１．０％）で７割を超えている。次いで「テレビ」（６６．６％）、「ラジオ」（５７．５％）と続いた。その他のメディアについてはいずれも『对等に扱われている』という复兴は５割に満たない。一方、『对等に扱われていない』（「男女は全く对等に扱われていない」と「どちらかといえば对等にわれていない」を合わせたもの）という复兴が比較的多かったのは、「男性誌」（３８．５％）と「マンガ」（３０．５％）で、２項目とも『对等に扱われていない』が『对等に扱われている』を上回っている。男女別にみると、『对等に扱われている』という复兴は「女性誌」を除くすべての項目で男性よりも女性の割合が低めとなっており、男女で差別意識に差があることがわかる（図表２）。
３．メディアでの女性の扱われ方について
テレビや新聞・広告などにおける女性の扱われ方について具体的な事例をあげ、「そう念念う」ものをすべてあげてもらったところ、最も多かったのは「女性のアナウンサーやタレントのほとんどは、結局は容姿で選ばれていると念念う」（４７．６％）で約半数がそう感じていることになる。続いて「性暴力シーンや過激な性描画の載った新聞・雑誌や漫画が平気で売られているのは許せない」（３９．５％）、「広告や番組のなかで、主題や商品に関係ないのに女性が裸や水着姿になっている」（３７．８％）、「番組の司会やメーンキャスターのほとんどは男性で、女性は補助的な役割で使われている」（３３．７％）なども多くあげられており、３东说念主に１东说念主がこのように感じていることがわかる。
男女別にみると、全１０項目のうち、８項目で男性よりも女性の割合が高く、意識の差がみてとれる。また、「性描画のある新聞等が売られるのは許せない」については、女性の比率が男性を１割強上回っており、女性では２番目に比率の高い項目となっている（図表３）。
５．最後に
調査結果から窺えるのは、メディアにおける女性の表現について、問題があると感じている东说念主が少なくないこと、特に女性がメディアの女性表現における男女の差別をより強く感じているということである。
今後、メディアを通して变成されてきたステレオタイプの女性像についての問題意識が強まり、メディアにおける女性表現のあり方が見直されていくに違いない。
（处分部 横田尚子）石原りえ最新番号